葡萄の森

恋の物語

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悲劇的な恋愛の世界

世界中には多くの物語があります。
物語には悲劇や喜劇などいろいろな形がありますが、その中でも特に多く描かれてきた恋愛の世界は、圧倒的に悲劇的なものが多く、もしかして恋愛とは悲しみを伴うように出来ているものなのかもしれない、と考えさせられます。
ここではそんな恋の物語を紹介します。

ロミオとジュリエット

最初に紹介する物語が、イングランドの劇作家シェイクスピアによる「ロミオとジュリエット」です。
家柄や運命によって引き裂かれるロミオとジュリエットの2人の物語は、世界中で悲劇的な恋愛の代名詞として表されることが多いくらい有名な作品です。
個人的にはシェイクスピアの圧倒的な表現力にただ驚嘆しました。

ストーリー

モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエット。2人はふとした偶然で出会い、ひと目で恋をします。
しかしお互いが敵対し合うモンタギュー家とキャピュレット家。
2人は決して許されない恋。
駆け落ち同然に知り合いの修道僧のもとを訪ね、密かに結婚します。

2人が、結ばれた運命に感謝するとしたら、ここからは報われない運命を呪うことになります。
結婚の後、ロミオは親友を殺された仕返しにキャピュレット家の夫人の甥のティボルトを殺し、追放の罪が課せられます。
一方その時ジュリエットは、親の決めた相手と結婚を命じられます。
それを免れるために、仮死状態になることが出来る薬を飲み、一旦死んだと見せかけ、結婚が取りやめになった所で、再び仮死を解き、ロミオと一緒になろうという計画を立てました。

しかしここで2人の纏う悲劇の運命が、その計画を妨害します。
仮死状態になったジュリエットを見たロミオが、彼女が本当に死んでしまったのだと勘違いし、悲観して、毒を飲んで自ら命を絶ちます。
今度は仮死を解いたジュリエットが、自分の墓の前で死んでいるロミオを見て、短剣で後を追います。
深すぎる愛ゆえに、その感情が仇となり、悲劇がまた悲劇を生みます。
彼らの死を悼む両家が、愚かな争いをやめ、和解するところで物語は終わります。

考察

この作品を知って初めて感じたことが、ロミオとジュリエットの2人は悲劇の運命を体現するための存在で、もしかしてこの物語の主人公は“悲劇の運命”そのものではないかということです。
ストーリーを読んでみても分かるように、この物語は出来すぎた悲劇です。
ロミオとジュリエットの2人がひと目で恋をしたところも出来すぎているし、2人が敵対する家柄だということも出来すぎているし、最後のふとした誤解でロミオが自殺し、ジュリエットもその後に続くのは、まさに悲劇のための悲劇ともいえるほど出来すぎています。
だからこの物語は主人公が“悲劇の運命”それ自体で、2人はそれを表すための駒なんじゃないかと考えました。
つまりこの物語は、敵対した家柄だけれども愛し合う2人が、悲劇的に命を落とし、それを教訓として、両家は和解する、というこの運命が主人公だということです。

もちろんこれは私個人の持論なので、おのおの別の意見があると思います。
興味を持たれた方は、是非この機会に、悲劇の恋の物語を、本で読むか、演劇としてみるかして、触れてみることをお勧めします。